第14回

  東京都尖閣諸島寄付金の総額は15億円近くにまでに達しました。諸経費を引いた残額14億1157万4042円は、現在東京都の基金となっています。名称は「東京都尖閣諸島寄付金による尖閣諸島活用基金」で、その目的は「寄付金を、国による尖閣諸島の活用に関する取り組みのための資金とするため」となっています。

 ちなみに、評論家の櫻井よし子氏のオフィシャルサイトによれば、国有化されたこの尖閣諸島の3島の地主に対し、外務省はこれまで、毎年2450万円の賃貸料を支払って借り受けていました。しかしそこへの立ち入りを一切禁止して、中国によって露骨に繰り返される現在の領海侵犯に至っても、同じ状態でいます。

外務省への疑問が湧きます。

 今までの70年間何もしませんでしたし、これからの利用、活用についての議論もなされていません。大使をはじめとして外交官を世界に配置させて束ねる外務官僚の怠慢、自民党による歴代の政権の定見のない外交政策は、櫻井氏の指摘を待つまでもなく、残念なことと言えてしまいます。

 「ノーと言えない日本人」という言葉が広まったのは、日本が経済大国への道を歩んでいた1980年代からのことだったでしょうか。今も続く意味深な言葉ですが、東京都尖閣諸島寄付金に寄せた私たち国民の同調の様子は、戦後の70年で初めてのことなのかもしれません。

 私たちは「ノー」を突き付けたのでした。中国による露骨な尖閣諸島への進出に対しての「ノー」は、同時に、無策のままに甘んじ続けている外務官僚、日本の外交政策に対しての「ノー」でもありました。

 尖閣諸島への中国による有事を想定したとき、ヘリコプターと飛行機の両機能を併せ持つオスプレイによる戦力アップは容易に想像できます。そして、その揚陸作戦を思い描いたとき、アメリカ海兵隊の姿が見えています。私たちが中国に突き付けた「ノー」の裏側にはアメリカ軍がいて、日米同盟が存在しています。今年2月には、自衛隊と米軍とで、その有事に対応すべき合同演習がアメリカで行われています。