第16回

 

  オスプレイが日米同盟を象徴するように、横田基地に飛来してきます。今は沖縄の海兵隊によるMV―2Bですが、来年からは空軍により配備されるCV―22Bが私たちの上空を飛び交います。そんな日本の抑止力を支える日米同盟について、興味深い話を聞きました。

 福生市議会で議長経験を持つ森田治男さんに「アメリカ軍は同盟軍か?」という問いかけをしてみました。森田さんは「占領軍です」と言うのです。日の出町在住で、青年期まで福生に在住し、陶芸家として有名な岡野法世さんは、「同盟軍なんてとんでもない、あれは占領軍だ」と言い切りました。森田さんは76歳、岡野さんは79歳ですが、その「占領軍」と言い切る言葉の語気の強さと声の大きさには、正直なところビックリしました。

 敗戦の貧困からただひたすらに脱却を目指した日本、「占領軍」の兵士たちが福生の街中を闊歩する姿と行動は、幼かった彼らに恐怖感をも植え付けるほどのものでした。70年が過ぎようとしても消えないそんな幼児体験は、基地を身近にするほどに強烈なものになっています。

 米兵による日本人女性との露骨な性的関係を示す「パンパン」「オンリーさん」という言葉、ヒロポンという麻薬も登場した暗く陰湿な世相は、今でも鮮明に記憶の中に存在しています。

 時の経過と共に、戦争を語れる人の数は明らかに少なくなっています。しかしよく考えてみると、私たちは、戦後も語り合えていないことに気付きます。300万人を失った敗戦を乗り越えて命と共に想いを継承して、新しい生き方を求めて混乱した貧困からの脱出に、かすかな灯りを見つけ出しながら生きた日々は、確かなものでした。

 「世代の断絶」が起きています。それは少し前のことにも振り返らなくなった、私たちの日常生活の連続の中にあるように思います。団塊の世代をはじめとして戦後を生きてきた人間は、なぜかスピードが上がった生活を送る現役世代の、前へ前へ行こうとするパワーに圧倒されています。

 憲法の改正が政治課題になろうとしています。しかし、その議論より先に、起きている「世代の断絶」を乗り越えなければならないと思えてなりません。私たちは、日本という国に、みんないっしょに生きています。